妖怪アパートの幽雅な日常/香月日輪

 
以前言っていたシリーズもの、読み終わりました。
 
 
 
 
 
講談社さん出版
 
 
香月日輪さん著
 
 
妖怪アパートの幽雅な日常   ①〜⑩
 
 
 
 
 
 
 
あらすじ
ひとり暮らしの始まりは、妖怪たちのすむ奇妙なアパート――。 
違う世界や違う価値観があってこそ、世の中はオモシロイ! 
夕士が高校入学と同時に始めた、あこがれの下宿生活。 
幼い頃に両親を事故で亡くしたため、早く独り立ちをするのが彼の夢。 
ところがそこには、ちょっと変わった、しかし人情味あふれる《住人たち》が暮らしていた……。 
 
 
 
 
 
この作品は凄い。
 
 
私は今までシリーズ物を避けてきた。
 
 
それというのも昔から飽き性で、なんでも三日坊主。シリーズものは、一度挫折してから手を出していなかった。その挫折した作品は、大好きな作者さまの作品だった。あえて名前は出さないが。それでも今回のシリーズものを読もうと思ったのは、読書仲間の友人が勧めてきたからだ。彼女はシリーズものが好きだった。ファンタジーが好きだった。私の知らない分野であった。だから、シリーズもので読みやすそうなのがあったら紹介してくれと頼んでいた。それがこの作品である。シリーズもの、読んでみようかなと思ってから初めてのシリーズものが妖アパでよかった。一冊だけじゃ終わらない嬉しさを知った。
 
 
 
 
 
 
 
読了したのは、つい先ほど。
黙ってはいられない、が、適当な言葉が見つからない。ので感想はしばらくしてからにしようとも考えた。しかし、抑えきれない衝動で手を動かすことにした。いつも、このサイトはスマホで管理しているが、煩わしいのでPCをひっぱりだしてきた。よし、書こう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
妖怪アパートの幽雅な日常(以下、妖アパ)はシリーズ小説である。児童書である。児童書なので、もちろん子供に読んでほしい。が、児童書であることが惜しいと思えるほど大人にも読んでほしい作品である。実際私は成人手前な年齢だが、"妖アパに出会えたということが今まで生きてきた価値である"といっても過言ではないと思った。また、"この本に巡り合えたことが、この本と縁があったことは私の人生最大の幸福である"とも思った。
 
 
 
 
 
 
ごく普通の高校生夕士くんが妖怪アパートで、人間や妖怪と関わりながら過ごす話である。
 
 
 
 
 
もともと児童書だから小学生にも分かりやすいような、読みやすく楽しい文章なのだ。それに加え、耳が痛いような爽快な心躍る話なのだ。
 
 
 
 
 
この作品は本当にハッとすることが多い。香月さんからは世間一般に流されない意見や達観した部分を感じる。しかし決して悟ったふりをした意見じゃなく、作中で夕士が多くのことに気づくのだが、それが等身大で、決してこの年頃の子が気づくようなことじゃないだろう、なんて思わないものなのだ。本当は子供や大人が気づかないといけないのに気づけていないことを教えてくれる作品だ。人として、って部分を解いてくれるのは純粋に心にしみる。
 
 
 
 
 
 
 
 
一文字も残さずこの本で学んだことを血肉にしたいなって思った。
この本は私にとって非常に大きな影響を与えた。読書の楽しみを再認識させてくれた。大切な本になった。
 
 
 
 
 
 
 
この本を読んでると、アイタ、痛いな〜って思うことが多すぎる。作中で現代の人間はこうだ。ダメな人間はこうだ。人はこうあるべきだ。と現代の問題にも向き合うのだが、身に覚えがありすぎて読んでいてとても痛い。とてもとても痛いのだけど、だから目を背けたくなるんだけど、受け入れるようになりたいなと感じた。受け入れたことを昇華してちゃんとした"大人"になりたいと願う。
 
 
 
 
 
 
妖怪の、いろんな経験を積んできたものの言葉だから重く力がある言葉なのだ。説得力がすごくある。だからこそ血肉にしたいんだ。
 
 
 
 
 
この本を読んで強く思ったのは"ちゃんとした大人になりたい"ということだ。齢だけを重ねたやつを大人とは認めない。ちゃんとした年の取り方をして尊敬できる、言葉に力のある、様々な経験を経た"大人"になりたい。贅沢な悩みだろうか。人間の可能性は無限大だ。人生は長い。どんなことだってできる。
 
 
 
 
多くの気づきがある
多くの喜びがある
 
 
 
 
 
 
ネタバレはしたくないので具体的な話は控えるが、大人にも子供にも読んでほしい作品。悩みがある人に読んでほしい作品。人生楽しくないなって思う人に読んでほしい作品。もうどんな境地でも読んでほしい。いい意味で価値観を壊されるし、再構築される。必ず、誰にでも何かしらの発見がある。人生で1、2を争う大切な本となった。
 
 
 
 
 
 
粗末な感想になって申し訳ない。
本当はもっと数々のことを述べたいのだ。
でも、本の中で手に入れないと意味がないのだ。読んでみてくれ。
 
 
 
 
香月日輪さん、および関係者の皆様。
これを勧めてくれた友人、友人にこれを勧めた友人兄。
 
 
 
ありがとう。感謝の一言に尽きない。
 
 
 
妖アパとの出会いは私の人生のターニングポイントとなった確実に。ありがとう。ありがとう。ありがとう。
 
 
 
 
読んだことない人は人生の4割、いや8割損をしてる。読んでみてほしい。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
愛しい。やっぱり読書って楽しい。浄化された。