重力ピエロ/伊坂幸太郎
こんにちは。
これまで伊坂作品について幾つか感想を述べてきたわけですが、大事なことを忘れておりました。
重力ピエロを乾燥機にかけてないではないか。
この作品なくして伊坂は語れんだろう
と。
ということで今回は
新潮文庫さん出版
伊坂幸太郎さん著
重力ピエロ
の感想をかきます。
まず、紹介あらすじの引用
兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。家族には、過去に辛い出来事があった。その記憶を抱えて兄弟が大人になった頃、事件は始まる。連続放火と、火事を予見するような謎のグラフィティアートの出現。そしてそのグラフィティアートと遺伝子のルールの奇妙なリンク。謎解きに乗り出した兄が遂に直面する圧倒的な真実とはーー。溢れくる未知の感動、小説の奇跡が今ここに。
さすが伊坂作品。美しいというか洗練された、というか。非常にコミカルでワクワクして、でも内容が薄くなくて。リズミカルですねとても。
言葉がとてもいい。大きな魅力ですね。
そして伏線、美しい
また今作も伏線は裏切られるわけですが。
非常に気持ちが良い。
そして自分にとって痛い言葉や、ハッとする言葉の数々。人を刺し歩くんです伊坂は。
ネタバレかもしれないですが
「赤の他人が父親面するんじゃねえよ」
これ、痺れました。
鮮やかに行われる伏線回収、というか繰り返しですね。
伊坂小説は大事なことを二回言うんです。
伊坂作品の富んだユーモア、知見の広さ、閃きのアイディア、すべてが集約した作品と言っても過言ではないでしょう!
伊坂作品、私的ランキングの中では
ベストスリーにはランクインするお話です。是非ご一読を。
光の帝国-常野物語/恩田陸
非常にご無沙汰しております。
gsnoh3836でございます。
本は読んでいたのですが、なかなか更新できず。
久しぶりの更新の作品はコレ。
集英社文庫さん出版
恩田陸さん著
光の帝国 常野物語
あらすじ引用します
膨大な書物を暗記するちから、遠くの出来事を知るちから、近い将来を見通すちから―「常野」から来たといわれる彼らには、みなそれぞれ不思議な能力があった。穏やかで知的で、権力への思向を持たず、ふつうの人々の中に埋もれてひっそりと暮らす人々。彼らは何のために存在し、どこへ帰っていこうとしているのか?不思議な優しさと淡い哀しみに満ちた、常野一族をめぐる連作短編集。優しさに満ちた壮大なファンタジーの序章。
そう!ファンタジーなのです!
ファンタジーって少し抵抗があります。今はそうでもないのですが、以前はそうでした。
ファンタジーってやっぱりシリーズものだったり長編のイメージが強く、また舞台が日本でないことから私の苦手な横文字が多いというのも理由の1つでありました(笑)
ですが、当作品は日本、そして短編!読みやすいのではないか!と。
読んだ感想として、第一に、
感動しました。
私読み始めて30ページで感動の波が訪れ、涙を流しました。
心地の良い情報過多と
度々変化する感情で情緒不安定になりながら
とても楽しく読めました。
それぞれの短編が
深いところで関わっていたり
随所で混じり合ったり
違う話ではあるけれども
複雑に絡み合っている
そんな短編集で、何度も読み返しました。
悲しいお話であるのですが、不思議と心が温かく優しくなる一冊でした。
私も常野の人たちのような
人生観で生きたいなあ、、、
是非一読を
水族館ガール/木宮条太郎
妖怪アパートの幽雅な日常/香月日輪
ぼくは明日、昨日のきみとデートする/七月隆文
クジラの彼/有川浩
ご無沙汰しております。gsnoh3836です。
本年もよろしくお願いしますね。
さて、今回は
角川文庫さん出版
有川浩さん作
クジラの彼 です!
有川さんの作品いくつか乾燥機(笑)にかけましたけれど、本作こそが有川さんの魅力にハマった初めの一冊になります。
私気づいてます。
有川さんの小説について書くとブログアクセスが伸びること!!!!!!!!!!!!!!
ここでウザいと思われて去って行かれそうですね…wwwww
まぁ、アクセス数なんて関係なく
有川さんが好きだから書くのですよ。本当に(笑)
さぁ、いつも通りあらすじから始めましょうか。あらすじと言うよりamazonさんの商品説明ですね。
『元気ですか?浮上したら漁火がきれいだったので送ります』彼からの2ヶ月ぶりのメールはそれだけだった。聡子が出会った冬原は潜水艦乗り。いつ出かけてしまうか、いつ帰ってくるのかわからない。そんなクジラの彼とのレンアイには、いつも7つの海が横たわる…。表題作はじめ、『空の中』『海の底』の番外編も収録した、男前でかわいい彼女たちの6つの恋。有川浩がおくる制服ラブコメシリーズ第1弾。
いつも青系の色にしていたのは覚えているんだけど
水色だったか濃い青だったか忘れちゃうのよね。
きっと今までの記事も統一感ないわ。
はい、いつも前置きが長いのでさっさと小説の話しますよ!
今回の記事、結構ネタバレに近い路線走っちゃうかもしれない。嫌な人は今すぐUターンしてくださいっっっっ<(_ _)>
本作は自衛隊に因んだ短編恋愛小説が6編入った短編集です。
ラブロマ好きの作者様が、開き直っちゃった!と言った作品である。
ベッタベタで甘々な有川ラブコメの代表作と言ってもいい!
この作品、「空の中」「海の底」の収録されています。
もちろんこの二作を読んでからだとより楽しめますが、読んでなくても楽しめちゃいます。
ここからは主観ですが、
べたべたで甘々な有川作品が、チープで安っぽくならない理由知ってます?例えば携帯小説とかって起承転結みたいなものがはっきりしているじゃないですか?ベタ甘だろうと切ない恋だろうと、楽しい時期があって、ライバルが現れ、乗り越えなきゃいけない壁が現れ、感動的フィナーレ。みたいな流れがあるじゃないですか。恋愛作品を盛り上がらせるためにハプニングや障害って多分必要だと思うけれど、有川作品は仮にそれがなくても面白いしときめくと思うんです。それは何故か?私は有川さんの言葉遣いがなす業だと思うんです。文才とかね。言葉遣いって丁寧とか乱暴とかそういう意味でつかわれること多いですけど、私は作家さんの武器だと思います。魔法使いの仕事道具が魔法であるように、作家さんの仕事道具は言葉ですよね。まあ何の話してるか分からんくなりましたが、要するにこの仕事道具の言葉が強くて美しくて絶品といいますか。まあそういうことです。
常々このブログで言っていますが
有川さんの小説は対話文が美しい。面白い。
わたしがそう感じるのは特に最初の話、いわゆるクジラの彼のハルとの会話、それこそ最初の合コンの会話からツボでしたね。
あ〜この言い回し好きすぎい。って思うところをそう言うところいいねって褒めてるんですよ作中でも。それで更に私の気持ちは盛り上がり、テンポよく読めるし、楽しいし、わたしもこういう言い回ししたいなって思うのです。
私がこの小説を何回も何回も読むのは
ただ、好きだからという理由だけではなく
浄化目的があります。浄化目的なんて言ったら失礼かもしれないけれど。
私は古本で小説を購入することが多いので、人気なものだったり話題のあるもので小説を選ぶことは少ないです。なので面白い小説を探す手段として、多種ありますが、1番利用するのは、私が好きな小説を好きな人が、オススメする小説を読むということです。分かりにくい文になっちゃいましたが、例えば"クジラの彼 舟を編む オススメ"とかいう風に好きな小説を2つ並べて検索かけるんですね。
そうしますと、割と似た系統の小説が続くことがあるんです。以前、女の人のドロドロした話みたいな系統の小説を立て続けに読んだことがあります。それは前述した手段で探し、まとめて何冊も買ったからなのですが、良作だろうとなんだろうと、やはりそのような内容は気持ちが沈んだりすることが多々あり、なんか違う小説読みたい。もうこんなドロドロしたの嫌だ。なんて思っちゃうんですよね。根本的には好きなんですけど。
そういうときにクジラの彼を読むんです。
どんな感情の時でも、
テンポよく読め、気持ちが高まり、キュンキュンして本当にルンルンになれます。
このテンポよく読める。何度読んでも続きが読みたいと思える。この要素を満たす小説ってそこまで多くないと思うんです。一度読むだけではもったいないと感じる小説には今まで多々出会いましたが、1ヶ月間隔で読めるっていうの少ないと思います。少し内容を忘れちゃってるくらいの方が面白く楽しく読めるじゃないですか。この作品は内容を覚えてて先の展開が全て予想できても楽しく読めます。
本当に魅力的な作品。
絶対後悔しないので
是非買って読んでみてください。
図書館とかで読んじゃうと
一冊家に置いておきたい!!!!
けど一度読んだからもったいない!!!!
という損な葛藤をする羽目になります!!!
是非是非!ご購入をオススメします!!!
ほんとうはアマゾンのリンクでも貼っておきたいですが、アフィ系を混ぜるのはこのブログの目的に反するのでやめておきます!!!でも買って読んでね!!!!
支離滅裂な文章になりましたが…
買ってください!!!(しつこい)
それではまた!次の記事で!会いましょう!
東京少女/林誠人・笹原ひとみ
おはようございます。
ご無沙汰しております。gsnoh3836です。
今回は少し意向が変わりまして、携帯小説と言いますか、
まぁ、わたし自身も良く分かってないので申し訳ないのですが
リンダブックスさん出版
林誠人さん・笹原ひとみさん著
東京少女
を乾燥させていきたいと思います。
私、この本ができた経緯とかよく分かりません。
映画が先なのかもしれないし、小説が先かもしれない。
実は「東京少年」という作品とセットなのかもしれない。
実は何も知りません。携帯小説なのかどうかもあやふやです。
しかし、私が当ブログをしていくにあたってこの作品を紹介しないという選択肢はとれないのです。
ですので、私、原作とか映画とか携帯小説とかそういうの全く触れずに一つの物語として読んだ感想を書いていきたいと思います。
とりあえずあらすじを先に。
高校生の未歩は、母と二人暮し。亡き父の思い出を引きずる未歩は、母から突然、再婚相手を紹介されて動揺する。そんなとき、ふとしたアクシデントが元で未歩はケータイを失くしてしまう。その夜、未歩は自分のケータイに電話をすると、電話に出たのは100年前、明治時代の青年・時次郎だった。互いにとまどいつつも、次第に惹かれあっていく二人。しかし、「別れ」のときは確実に近づいていた…。百年の時を隔てた恋物語。
私がこの本を初めて読んだのは小学校卒業間近でした。古本屋で偶然手に取って購入したんですよね。図書室や図書館に通ってばかりだった私にとって中古だとしても自分の小遣いで初めて買った本としてとても印象に残っているのです。短文で区切られた文章、少し大きめの文字、こういうところは携帯小説っぽさを感じさせますが、小学生の私にとって読みやすいという印象で非常に気に入っていました。
読み始めるとそれはもうあっという間に。小説に、話に引き込まれました。とても切ないのです。何度読んでも号泣してしまう一冊。自身にとって非常に印象的で思い出深い大切な一冊なので度々読み直すのですが、成人近くなった今でも読むと号泣してしまいます。
内容は定番といいますか、設定として時代が違うっていうのはよくあるのかなって思う。
違うのは文章の作り込み具合。
こういう純愛系を書いちゃうと、実話でもない限り安っぽくなっちゃうのは仕方ないと思う。違う時代と電話が繋がって、ってそんな思い切りファンタジーなお話で、高尚な作品だと感じるものは多くないと思う。
ただ、ロマンティックな恋物語だわ。ってだけならこんなにこの作品に固執してない。一度読んで感動して終わりってしてる。世の中の不条理さを知ることができる作品だから今でも読める。高校生という輝かしくも複雑で繊細で葛藤する青春の中に身を置き、不条理に悩まされながらも前を向く姿が自分を鼓舞してくれる作品だから好き。
原作が映画だとか、著名な作者じゃないとか、字が大きく携帯小説ぽいとか、そんなこと気にせずまずは一読して欲しい。な、と思う。
ちなみに私が「素敵」という言葉を魅力的に感じ、使うようになったのはこの作品があったから。
余談ですが
素敵って言葉は
素(晴らしい)に
〜なさま、を表す的をつけ
最初は、素的と表されたんですね。